外国文学・著者別-文芸作品-本 : 百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))

百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))

¥ 2,940


世界文学の金字塔。。 - 私がこの本を読んだのはもう10年以上前ですが、今でもその時の感動は忘れません。どなたかもレビューで記述しておりましたが、文学というモノがここまで可能性があるのか!!!と知らしめてくれたのがこの本です。この本は「奇跡」というにふさわしいと思います。おそらく書いた本人も驚くほどの完成度なのでは(笑)。Gマルケスの文学は総じて好きですが、百年の孤独一冊でノーベル賞を取るに足る、と思われます。すばらしい。「セルバンテスの再来」などと当時もてはやされたようですが、ドンキホーテよりもこちらの方が素晴らしいと私は思います。間違いなく20世紀では最高の文学だと思います。神業。

予想を裏切ってくれる心地よさ。 - これは久しぶりに面白い小説を見つけた。実は数年前から気になってはいたが、冒頭の改行のない、えんえんとつづくジプシーたちの珍妙な品々についての説明に「これは片手間に読める本じゃないな」と思って見送ったのだった。せっかく秋なので、腰をすえて読むことにしたら、重々しい文学作品というより、まったくのエンターテイメントに近い。楽しく、するすると読み終わってしまった。たぶん私にはよく合った本だったのだろう。ジョン・アーヴィング的な予想を裏切る展開と、時間を超越したところからの伏線が巧妙で楽しい(まず冒頭の「のちに大佐が銃殺隊の前に立つはめになったとき、彼ははじめて父親とともに氷を見た時のことを思い出した」云々からはじまるストーリーなど、秀逸である。歴史小説によくある「これがのちの――である」という感じのネタばれが好きな人にお勧め)さらに面白いのは、非現実的要素が、現実的要素と同レヴェルのリアルさで描かれていることだ。長いこと雨が降ったせいで、開いたドアから魚が泳いで入ってくるぐらい、空気が水分を含んでいた、という描写なんかわくわくしてしまう。さらに死んだ人間も普通にうろうろする。そういうファンタジーな要素が随所にありながら、物語はどこまでもリアルで、悲劇的で(コミカルな部分もあるが)頽廃的で、孤独だ。登場人物はみな頑なで、自己中で、ほぼみんな名前が似ているにも関わらず、バラエティーに富んだ孤独な人生を歩む。一族の運命をまるまる体験する、というのはなかなか興味深い。登場人物ひとりひとりあれほど強烈でありながら、死んで忘れられていく虚しさが胸にせまる。中上健次の『千年の愉楽』と確かにいろいろ似ていると思った。ただ、もっと悲劇的で頽廃的で毒々しいというなら、さらに日本独特の美しさとおぞましさに酔うなら、中上のほうを個人的にお勧めする。責任はとらないが。

人間の歴史の縮図 - 南米の架空の町、マコンドの草創、隆盛、衰退そして滅亡するまでの百年を町を開拓したブエンディア家を中心に描いた傑作。チョコレートを飲んで空中浮遊する神父、四年以上も降り続く雨、異常に繁殖する家畜など非現実的なエピソードと超人的な登場人物たちによって綴られる不思議な神話の様な物語に自然と引き込まれてしまう。この百年あまりの物語に誰もが圧倒されてしまうのは、そこに人間の歴史の全てが凝縮されていると感じるからではないだろうか?私が本書を読みながら気になったのは、「ノストラダムス」という名前が何度か出てくるところ。そのノストラダムスの秘法を心得たメルキアデスによって羊皮紙に記された予言通りにマコンドは滅亡へと向かっていく。我々の現実世界では、世紀末を乗り越えた現在、ノストラダムスの予言を信じているものはあまりいないと思うが、本書が書かれた60〜70年代頃は結構真剣に論じられていた事を思い出させてくれる。もし出版社に良心があるのなら、いい加減本書を文庫化してこの傑作をもっと多くの人が読めるようにしてあげるべきだと思うのだが・・・

戯画的描写の徹底 - ガルシア=マルケスをある程度読んでいて、彼の作風を知っている方なら知っていることだが、彼の小説はストーリーよりも、描写が重視される、ということは、承知なさっているであろう。私も、「族長の秋」「幸福な無名時代」「エレンディラ」など、「予習」をしてから本書に取り掛かった次第だった。期待はまったく裏切られなかった。滑稽かつ珍妙な描写の詰め合わせである。馬を殺せるほどのストリキニーネを飲んでしまっても死なない人が出てきたりするのだから。タイトルこそ「百年の孤独」だが、これを読みふけっていて、時間の経過なんか、これっぽっちも感じなかった。おしまいあたりで気がついたのだった。もし、ガブリエル・ガルシア=マルケスが画家になっていたら、ピカソ級の珍妙な絵画が作れたのではあるまいか。ブライオン・ガイシンが昔「小説は絵画よりも50年遅れている」という類の発言をしていたのを思い出してしまった。ただの文字の羅列なら誰にでもできるであろう。だが並の人間の感性では、ここまで緻密、かつ滑稽な戯画を、文字では表せなかったのではあるまいか。ただ、ストーリーが云々、と書いたが、よく読んでみると、人物描写がよくできているのに、気がつくだろう。誰が主役だ、といいきれないほど、個性的な人間がたくさん出てくる。それも、もちろん滑稽な描写にまみれているが。人物の描写も、小説全体の戯画にも、どちらを重視する方も(そして、両方を求めている方にも)お勧めできる。これがラテンアメリカ文芸なのか、いや・・・「これがガルシア=マルケスである」と。この世界は広くて複雑だ。それを感じさせてくれるのがガルシア=マルケスであり、この「百年の孤独」なのである。

驚異的な表現 - レビューに触発されて買ってしまいましたが、なるほどこれは確かにすごい。文学、音楽、絵画、映画、建築…とあらゆる芸術体系がありますが、この作品は「文学が可能な芸術表現の極み」に達しています。文学ってものがここまですごいとは思いませんでした。まさに一読の価値あり。高いですが損はしません。私は図書館で借りて読んだのですが、手元に置いておきたくて結局現物を買ってしまいました。中古が出回っていないことからも、この本の質の高さが良く分かるかと思います。




百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))